医療事務員のブログ

若手医療事務員が日々感じたことを書き残します。

アイピーディカプセルは間質性膀胱炎の適用が無かった?!

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泌尿器のレセプトを確認していたところ、間質性膀胱炎の患者に対してアイピーディカプセルが処方されていました。

適用病名が無いと思ったので、処方医に確認すると、『これ、前から出してるよ』という返答でした。

ええ?!適用病名じゃないのに、、でも今までそんな査定事例はありません。

今回、改めて調べてみるとまた勉強になったので、まとめてみます。

 

 

アイピーディカプセルとは?

まずはアイピーディカプセルはどんな薬なのでしょうか。

 

一般名:スプラタストトシル酸塩カプセル錠

適用疾患:気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎

Tリンパ球に作用することにより、抗アレルギー作用、免疫応答へ作用し、アレルギー反応を抑制します。
通常、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎の治療に用いられます。ただし、すでに起こっている喘息発作や症状を速やかに軽減する薬剤ではありません。

 

つまりは、抗アレルギー剤で主にアレルギー症状に対して処方されるものです。

上記は保険収載されている適用疾患なので、これに準じていなければ保険適用外ということになりますね。

適用疾患も3つしかありませんし、間質性膀胱炎の入る余地がありませんね。

 

間質性肺炎とはどんな病気?

では次に間質性肺炎について調べてみました。

間質性膀胱炎研究会という団体がありましたのでそこから抜粋です。

 間質性膀胱炎とは、「膀胱の非特異的な慢性炎症を伴い、頻尿・尿意亢進・尿意切迫感・膀胱痛などの症状を呈する疾患」(間質性膀胱炎診療ガイドラインによる)である。中高齢の女性に多いが、男性や小児にもみられる。原因は不明で、膀胱粘膜の機能障害や免疫学的機序が想定されている。頻回な排尿や膀胱の痛みによる苦痛から生活の質は大きく損なわれる。確立した治療法はなく、対症的な治療に留まる。再燃と寛解を繰り返し長期にわたる医学管理が必要となる。

 

『確立した治療法はなく、対症的な治療に留まる。』というところがポイントでしょうか。

 

症状は、通常の細菌感染から発症する急性膀胱炎と同じく、

 

  • 頻尿
  • 夜間頻尿
  • 尿意亢進
  • 残尿感
  • 膀胱不快感
  • 膀胱痛

 

などがあるようですが、原因は不明のようです。

 

簡単にまとめると、

  • 細菌感染して発症し、抗生物質が効くのが通常の膀胱炎
  • 原因不明の炎症で抗生物質が効かないのが間質性膀胱炎

という感じになります。

間質性膀胱炎の中でも、診断基準の症状を満たす場合は

『間質性膀胱炎(ハンナ型)』として難病に指定されています。

 

間質性膀胱炎の治療薬

さて、こんな原因不明の難病『間質性膀胱炎』の治療にはどのような治療薬が使用されているのでしょうか。

 

有効性が報告されている薬剤

  1. アミトリプチリン(トリプタノール):抗うつ薬
  2. ハイドロキシジン(アタラックス):抗ヒスタミン剤
  3. ステロイド剤
  4. トシル酸スプラタスト(アイピーディ):抗アレルギー剤
  5. Ca拮抗剤、鎮痛剤等

精神的なストレスや痛みを軽減させたりするものです。

症状に対して有効性が報告されているものですが、保険適用が認められているわけではありません、したがって、、、

 

間質性膀胱炎に対して保険が適用される薬剤はない

 

なぜ保険適用されないのか

すこし古いですが、こちらが参考資料です。

間質性膀胱炎に対するIPD-1151T無作為化比較試験結果のお知らせ | 2009年 | ニュースリリース | 大鵬薬品工業株式会社

 

アイピーディは何度も言いますが抗アレルギー剤です。

しかし、専門医が間質性膀胱炎の原因をアレルギー疾患だと考えて処方されており、それが炎症の遷延に関与していると思われたようです。

 

そこで、製薬会社が間質性膀胱炎の治療薬として臨床治験を実施したのですが、残念ながら思うような結果は得られず、アレルギー疾患ではないと示唆されたことになります。

 

 

では保険請求はどうすればいい?

正直なところ、支払基金の判断によります。

当院であれば、過去に何度か処方されていましたが、全て間質性膀胱炎のみの病名で通っています。審査する担当医の気持ち次第なんでしょうか、それも納得がいきませんがw

 

当院としては、このまましばらく様子を見ようと思います。

ただ、6月から審査医が変更になったようですので、これもわかりません。

 

しかし、難病に指定されていながらも適用病名が無いのは不思議ですね。

 

傷病名マスタは25,403件

医薬品マスタは20,643件あります。

 

医療事務は膨大な医薬品と病名の点検をし、審査を網をかいくぐって病院の収益に繋げていかなければなりません。

こんな少しの事例でも手を抜かずに取り組むことが大切ですね。