医療事務員のブログ

若手医療事務員が日々感じたことを書き残します。

結核患者との濃厚接触職員の検査代金の請求について

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先日、院内で患者が発生し、濃厚接触した職員が複数名発生しました。

濃厚接触者については、T-スポット、を実施しますが、その請求方法について議論がありましたのでまとめてみます。

   

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 TーSPOTとは

 TSPOTはどんな検査なのでしょうか、調べてみました。

T-スポット.TB検査は、結核菌特異抗原(ペプチド)を採血した血液から分離精製して1ウエル辺り25万個に成るように調整した末梢血単核球(PBMC)に添加して、体外で結核感染を診断する検査法です。

この検査のメリットはBCGワクチン接種や環境中の抗酸菌感染の影響を受けない点、ツベルクリン反応のように結果判定のために再度医療機関に行く必要のない点です。

また特異度・感度が高く、免疫脆弱者でも高特異度・感度が保証されている点です

 

一方、点数本にはこう書かれています。

 検査名称:結核菌特異的インターフェロン-γ産生能 630点

  

 インターフェロン-γ産生能は、診察または画像診断等により

結核感染が強く疑われる患者を対象として測定した場合のみ算定できる。

結核の疑いがある患者について、検査を行った場合に算定できます。

前置きで、「診察または画像診断等」とあるので、胸部レントゲン等があればその根拠にもなりますね。

 

今回のケースではそのどちらにも当てはまりません。

 

 

今回の事例は?

 

入院患者で結核が発生しました。

病棟のチームの看護師や主治医は濃厚接触者の扱いとなります。

 

主治医の指示で、感染が疑われる濃厚接触者にあたる職員全員にT-SPOT検査を実施しました。

結果は全員無事「-」の判定でした。

 

では、請求はどうするのでしょうか?

 

病院としては、「検査代金は持ち出し」で良いそうですが、

協会けんぽや労災に請求できるのであれば、請求しなければなりません。

ということで、実際に聞いてみました。

 

 

労働基準監督署の場合

 まず考えられるのは、仕事中に発生した傷病にあたるということで、労災に確認してみます。

労災の請求担当に確認すると、

 

「検査はされているんでしょうか?」

「検査結果が+なら労災で請求してもらってもいいですけど、結果がーであれば協会けんぽに請求して下さい。」

 

という回答でした。

結果が+だったら大変なんですけどね。

そりゃあ+だったら労災だろうけど、-だったとして保険請求ができるのでしょうか?

ん~、とりあえず協会けんぽに聞いてみることにしました。

 

協会けんぽの場合

 保険者である協会けんぽに確認することで、「請求していいよ」という確認を得たかったのですが、

「検査結果も(-)ですし、症状も全くないんですよね?」

「今の段階では断言できませんが、おそらく査定させてもらうと思います」

 

という回答です。

コメントをつけてもダメなようです。

労災と完全に板挟みにされてしまいました。。

 

保険者に断られたのであれば、支払基金に聞いても無駄なので、これ以上の調査はしませんでした。

というわけで、病院で検査代金を持ち出すという結論に至りました。

 

 まとめ

 結核患者との濃厚接触職員は、保険請求は難しいです。

当院のように複数名を同時に検査すると、やはり院内感染を疑われてしまうので、

保険請求は望ましくありません。

こういった請求のルールも医事課へ周知させておく必要がありますね。

医療者のための結核の知識

感染症法における結核対策 平成29年改訂版