医療事務員のブログ

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2018年診療報酬改定のポイントを解説!改定の概要について【その1】

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2018年度の診療報酬改定について、どの程度理解されていますか?

先日、10/25(水)に個別事項(その5)が公表され、リハビリテーションに関する議論内容も明らかになってきました。

自分の病院は何をしていけばいいのか、立ち止まっている病院はこの先取り残されます。診療報酬改定のポイントを今わかる限りで解説していきたいと思います。

※中医協の資料を見た私の見解です。

 

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国が何を考えているのか理解する

今回の診療報酬改定において、国が何を考えているのかを理解することが大切です。

どのような問題が現実起こっているのか、医療機関も理解しておけば診療報酬改定の理解もスムーズになるでしょう。

 

人口減少問題

少子高齢化による人口減少問題です。以下は、総人口の推移と医療・介護の需要予測です。総人口は減少していく傾向にありますが、75歳以上の人口は増加しています。逆に、65歳未満の人口が減少。これが、少子高齢化による人口減少です。

全国 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年
総人口 127,176 125,430 122,735 119,270 115,224 110,679
65歳未満 97,771 91,657 86,845 82,925 78,564 73,441
65-74歳 15,186 17,325 17,158 14,683 14,007 14,892
75歳以上 14,219 16,449 18,732 21,662 22,653 22,346

[単位:千人]

 

さらに、医療・介護需要を見ると、高齢者の割合が増加することによって、医療需要が増加します。しかし、ある程度高齢化が進むと医療需要はそこまで伸びず、介護の需要が極端に高まります。超高齢者になると、医療ニーズよりも介護ニーズが高まっています。

これを見てわかるように、今後は介護事業が急成長します。

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※参考 東京大学公共政策大学院の介護の需要予測と対策を基に作成

 

さて、このような分析を見据えて国はどう考えているのか、大体はわかりますよね。

 

  • 高齢者のためのベッドを増やそう
  • 65歳未満のベッドを減らそう

簡単に言うと、こんな考えです。

人口が減っているのだから、それに合わせた病床配置にしてくださいねってことです。

 

 <ポイント>

人口減少に備え、病院の事業をどう展開していく?

或いは縮小していくか。

 

医療だけにとどまらず、病院としてどのように今後経営を行っていくのか事業計画をしっかり立てておかなければいけません。

ただし、将来的にもう一つ深刻な問題があることを忘れてはいけませんね。

 

 

スタッフ不足

一番懸念されるのは働く職員の減少です。高齢者が増加し、65歳未満の人口が減少することで、必然的に働き手が減少することになります。

 

社会構造としてはこのように変化していきます。

  • 1990年 高齢者1人に対して5.1人で支える
  • 2016年 高齢者1人に対して2.6人で支える
  • 2025年 高齢者1人に対して1.8人で支える
  • 2065年 高齢者1人に対して1.2人で支える

これではスタッフが辞めてしまいます。。。

人口ピラミッドの変化

今でさえ、求人票には老人施設の求人があふれていますが、将来はそれ以上になりえると思います。しかし、求人を出してもなかなか人が集まらないという状況が今よりもひどくなる気がします。となると、何らかの対策を考えておいた方がいいかもしれません。

 

 <ポイント>

  • 今働いている人を辞めさせないようにするにはどうすればいいか
  • 安定してスタッフを集める方法は?

外から人が入ってこないのであれば、せめて今働いている人を辞めさせないようにするように考えたいですね。

 

とある病院では、海外に学校を作ってそこで医療従事者を育成、

その学校から毎年スタッフを数十名雇用されています。

そのくらいしなければ、今後の人口減少に対応できないのでしょうか。

病院ごとの経営手腕が問われるところですね。

 

 

診療報酬・介護報酬同時改定

このような問題点がある中、診療報酬・介護報酬が2018年に改定されます。今回の改定にはこんな目的があります。

団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて、医療・介護の体制を整備する

 団塊の世代が75歳以上になる2015年には、75歳以上の割合が全人口の18%を占めます。これまでに、医療と介護の歩幅を合わせておきたいということです。

今回の改定の要点をまとめるとすると以下の3項目になります。

 

1.地域包括ケアシステムの構築と医療・介護の連携強化

今回改定の重要項目は「地域包括ケアシステムです」

どんどん在宅でみていこう。

自宅や介護施設などの医療ニーズや看取りを強化していく方針です。

このあたりの点数が評価される可能性は大ですね。

 

今まで曖昧であった、かかりつけ医機能も明確化していくようです。

(その1)かかりつけ医機能(その1)

 

2.医療機能の分化、連携の促進、効率的な医療提供体制の構築

医療機能や患者の状態に応じた評価により、地域医療構想の達成を推進

地域医療構想では、「ベット削減」などというニュースにもなっていますが、実は「ベット削減」ではなく「機能の転換」が正しい使い方です。

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2015年 病床計133.1万床

2025年 病床計119.1万床

減っているじゃん!と思うかもしれませんが、実はちょっとしたカラクリが。

上のグラフで、2025年の介護施設、在宅30万人はこの数字に含まれていないのです。

ですから、実際は

2015年 病床計133.1万床

2025年 病床計149.1万床

となり、ベット削減にはならないわけです。

しかし、見てもらえばわかるように、急性期病床については削減され、回復期病床が拡充されています。高齢者が在宅でも生活ができるようにとリハビリの充実をはかっているためです。慢性期に関しても削減され、介護施設や在宅の必要量を増やそうとしています。

 

3.質が高く効率的なサービスによる高齢者の自立支援等

今回の改定では「医療の質」というものが評価される傾向がありそうです。

今の回復期リハのようなアウトカムの評価が様々な点数に取り入れられるのではないでしょうか。

”費用対効果”などの言葉もよく書かれていますね。

 

<ポイント>

地域包括ケアシステムに対応できる体制を。

時代に乗り遅れたら、診療報酬的に病床転換に追いやられる可能性も。

 アウトカムをしっかり見られるとすれば、おそらくできていない病院には診療報酬で低い点数設定をしてきます。そうなると、病床転換という経営判断をせざるを得なくなってしまいますよね。

中医協が好評しているデータと比較して、今の病院の状況をしっかり把握しておくことが大切です。

 

まとめ

診療報酬改定に至る問題点、国の考えをまとめてみました。

今回のまとめは以下のようになります。

 

  • 2025年には人口減少、高齢化率18%と高齢化社会となる。
  • 2018年度診療報酬改定はそれに向けて医療介護の体制整備をする。
  • 人口減少に向けた事業展開を検討する
  • 安定した人材雇用の仕組みを検討する
  • 中医協の出すデータと比較し、自分の病院の状況を確認しておく

次回からは、具体的な診療報酬改定の中身について解説していきます。 

 

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