医療事務員のブログ

若手医療事務員が日々感じたことを書き残します。

患者満足度の向上へは正しい分析が鍵になる?!

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多くの医療機関が患者満足度の向上に取り組まれていると思います。

部署別や病棟別で満足度を集計しておられるところや、項目別でとられているところが多いのではないでしょうか?

満足度を出したところで、対応する要素は多岐にわたります。

データを正確に把握し、満足度分析を行うことが重要になりますね。

今回は、満足度調査の分析についてです。

満足度調査の手法

流れとしては、患者さんにアンケートを記載してもらい、回収。

結果を集計して分析という流れです。

例えば、『医師の説明は分かりやすかったですか?』という項目に対し、

満足・やや満足・どちらともいえない・やや不満・不満 の5段階で評価をします。こんなことはありませんが、全て『満足』が付けば満足度100%ということです。

 

病院によって項目は違いますので分析する方法も様々だと思いますが、単純に、総合満足度が「高い」or「低い」というアウトプットだけでは、得られる情報は少ないと思います。

 「総合満足度を上げよう」と掲げるのはいいのですが『何を』『どうしたらいいか』がわかりませんよね。

そこまで分析して、改善に取り組めるような情報が必要なのです。

では、どのような手法が効果的なのでしょうか?

 

 

ポートフォリオ分析で満足度調査

顧客満足度調査等で用いられる分析手法のひとつです。製品・サービスにおける項目別満足度などを軸にして2次元グラフで表現することで、重点的改善項目を抽出するという分析手法がポートフォリオ分析です。

 

「総合満足度」を縦軸、総合満足度と個別満足度の相関性を「重要度」として横軸に設定して座標軸の図を作り、中にプロット(点の描画)をします。縦軸である満足度と、横軸である重要度の関係により、図は中央に十字を配置した4エリア(象限)に分けることができます。

この象限は、十字を中心にして反時計回りに第1~第4象限エリアの順で並び、重要度と満足度の高低でそれぞれ定義づけがなされます。質問項目がこの象限エリアのどこに入るかで、改善すべき事項の優先順位を図ったりすることができます。また、サービスの強みや弱み、問題点の把握や、継続すべき機能など、改善施策立案のための判断材料にもなります。

 

とまあ長々と書いてもわからないですね。

具体的に図を使って説明していきます。

象限を位置づけして整理してくれる

ポートフォリオ分析では、以下のように象限を位置づけして施策の優先順位を決めていきます。

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最優先改善項目(右下)
総合満足度を高めるための影響度が強い(相関係数が高い)のに、満足度が低い。優先的にカイゼンすることで、総合的な満足度を効率的に高められます。

 現在の満足度の源泉(右上)

総合満足度を高めるための影響度が強く、現状の満足度も高い。現状の満足度をある程度獲得しているため、一見このままでよいように見えますが、サービス水準の維持を怠ると大きく総合満足度を下げる可能性があるため、積極的に維持していくべき項目です。

 現状維持項目(左上)

総合満足度を高めるための影響度は低いが、現状ある程度の満足度は得られている。極端なサービス水準の低下を招かない程度の維持を心がける必要があります。

 最低評価項目(左下)

総合満足度を高めるための影響力が低く、現状の満足度も低い。ここの満足度を向上させても総合満足度への影響が低いため、効率は良くないです。

分析方法は意外と簡単

簡単に、グラフを作成してみました。

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最優先改善項目(右下):検査技師の言葉遣い、看護師の身だしなみ、問診までの待ち時間

最低評価項目(左下):案内表示、看護師の言葉遣い

この例でいくと、右下の象限に位置する、「検査技師の言葉遣い」、「看護師の身だしなみ」、「問診までの待ち時間」の改善が課題であるといえますね。

 

一方で、左下に位置する項目は、総合満足度を高める影響力は低いですが、極端に低い満足度は問題があります。

少なくとも平均並の満足度を維持できるような施策を打つことを考えます。

具体的な改善方法は病院によって違うと思いますが、今回のケースだとこんな感じです。

 

  • 検査技師向けに接遇マナー研修の開催
  • 身だしなみ規定の見直し
  • 患者サービス委員より身だしなみチェック
  • 予約制の導入、予約枠の見直し
  • 診察予約アプリ導入

 

  

本気で満足度を上げようと考えれば、もっと具体的で、革新的な意見が出てくるはずです。重要なのは、PDCAを意識することですね。

 

 

まとめ

単純な平均値だけを見て、「不満を満足にしよう」などと具体案を上げずに目標を立てるのではなく、分析の結果を活用し、計画を立て、実行することが必要となります。

数値を平均値だけで見てしまうと、データの本質が見えなくなります。項目の関連性や規則性を分析して対策を立てることが必要ですね。